「ちゃんと鏡を見てみろよ。君みたいに可愛い子はめったにいないぜ」
「どこが・・・冗談言わないで」
手を振って真面目に否定するが、目が垂れている。
「いや冗談じゃない。個性的な美しさがある。君にしかない可愛らしさがある」
「そうかしら」
表情をつくってしたりげに髪を弄りながら照れくさそうにうつむく。俺はとても美人とは思えないその平凡な顔を見ながら、この女とは今日中に寝れると確信し、コーヒーを飲む。
俺は出会い系に来る前、地元高知市内で女を何人もナンパしたことがあるが、いつもこうやって適当なことを言ってその気にさせてきた。女に嘘をつくのはナンパのテクニック。出会い系でも使わない手はない。ナンパと出会い系はそのコンセプト、システムの面で大きく異なるが、出会い系にナンパのテクニックを応用することで交際(セックス)に持ち込める可能性がグンと高くなると思う。
まずやるべきことは相手を褒めることだ。褒め方にも色々あるが、まずは容姿。女性が一番気にする部分を上手に褒める。もちろん嘘でいい。いや、嘘の方がいい。普段人から言われないことを言われると女はその気になりやすい。
ただし醜いものを単純に綺麗だと褒めても説得力がない。褒めるときに使うべき必須ワードは「個性的」だ。この言葉を入れることで褒め言葉は女の心の中で有機物に変わる。「人は皆、その人にしかない美を持っている」という命題に矛盾はない。どんなブスにでも一縷の美はあるだろう。その美をうんと強調してあげるのだ。女心はたちまち男にたなびく。
次につく嘘は自分のこと。男の価値を少しでも高める。俺の職業は町工場の作業員だが、愛知県に本社のある自動車メーカーの営業マンだと伝えてある。年齢も二十六歳だが、三十歳と言ってある。
「あんな大企業の社員の人が高知で何してるんですか」
「営業だ営業。こっちで二か月ほど仕事して帰る。短い間だけど、君のそばにいたいと思ってね」
とはぐらかしながらコーヒーを飲み干す。
「たった二か月ですか・・・何だか寂しいな」
ほら見ろ。すでにこの女は俺と別れるときの寂しさを心配している。すでに俺の女になった気分でいる。さてここからの切り返しが肝心だ。ここでまごついたら今日中にベッドインできなくなる。
「あまり時間がないね。早く君と仲良くなって充実した時間を過ごさないと。ああ、時間がない」
「どうしたらいいんですか」
「君とすぐにでも結ばれたい」
彼女もすぐにその意味を理解したようだ。一瞬ひるんだが、ぼんやりと宙に視線を向け、その目を俺にむけると、恥ずかし気に微笑む。
ホテルへ。
顔は平凡で見たくもないが、乳のふくらみは最高だった。今度はその乳を褒める。ただしこれは嘘じゃない。本当にいい乳なのだ。
「ああ・・・いいよう。君のおっぱいいいよう。ずっと揉んでいたい」
「はぁン・・ぃやんっ・・・揉むだけ?」
甘い吐息。
「舐めるよ。揉んで舐める・・・」
固くなった乳首をペロペロ音をたてて舐める。こぼれてきた唾液をすする。
「イヤ・・・アンッ!」
最後に膣を褒める。これは半分嘘。膣圧もヌルヌル加減も他の女と大差ないが、ゆっくり出し入れしながら耳元でこう囁く。
「締まりが最高だあ・・・ううう、たまんねえ」
「イイッ! いやッ! あんあっんん」
「こんなに素敵なオマ○コ初めてだあ・・・うう。できれば生で出したい・・・」
「今日は大丈夫・・・と・・・思う・・・ああ、ああっ・・・いい・・・」
のけぞる彼女。俺は両脚を抱え、まんぐり返しに近い格好になって激しく突きまくり、生で出した。膣を褒めたのは、生で出したかったからだ。この場合断る女もいるが、OKする女もいる。比率的には半々だ。
しかし嘘はいずればれるもの。俺も人の子だからいつまでも凡庸な顔を美人と持ち上げられない。その意味ではせいせい二か月が限界。
二か月後、俺は東京に戻るふりをして彼女との愛別離苦を装うことだろう。
そしてまた高知市内で新たな乳と膣を探すことになるだろう。