ナンパ待ちの女を出会い系で拾った話

ナンパ待ちの女を出会い系で拾った話

佐世保市で不思議な出会いをした。

出会い系で知り合った由美子は二十七歳の家事手伝い。三年くらいOLをやっていたが、今は辞めて家にいる。彼氏が欲しくて何度もナンパスポットに出かけて行くも声をかけてもらえず出会い系に来た。なぜ自分がナンパされなかったのかわからないと言う。

顔写真を見るかぎり顔は悪くなく、髪型やコスメを工夫すればかなり美人になれる素質は持っている。だけど少々重い印象がある。声かけても無視されそうな雰囲気はある。

「軽い女に見えないからね。ナンパ男の興味をそそらないのかもしれない」

「一度でいいからナンパされたかったな」

ナンパを話のネタにメールで何度か会話したが、話は意外な方向に。

「ねえ、私をナンパしてくれる?」

「どういう意味?」

「ナンパされて知り合ったことにしたい」

「面白そう」

俺は由美子をナンパしに佐世保市でも有名な待ち合わせ場所に出かけて行った。芝居に過ぎないが、少しわくわくする。

そこには何人もの若い女性がいた。年代も二十代風が多くどれか由美子かぱっと見わからない。写真と現物が必ずしも一致しないのが出会い系の常だが、ここまで手間取るとは思わない。待ち合わせの時間は過ぎているからそのあたりにいるはずだが、どれが由美子かわからない。

―俺に気づいているなら声をかけてくれたらいいのに。面倒くさい女だ―

髪型が少々異なるが視線がきりっとしている女性がいた。雰囲気も写真の由美子に似ている。女の髪型なんてどうにでも変形できるから彼女が由美子かもしれないと、近づいて声をかける。

「もし時間あるならお茶でもしない? 君を見ていたらお話がしたくなった」

視線が少し緩んだが、すぐに冷たくなる。

「悪いけどそんな時間ないです」

とそっぽを向く。

人違いだろうか。でも、どう考えても他に由美子に近い女性はいない。もう一度話しかけてみるがガン無視。「ナンパお断り」と書かれた目に見えない看板をデカデカと掲げているように見える。

「本当に時間ないの? 少しでいいんだけど」

視線すら合わせようとしない。

「昔さ、由美子っていう名前のきれいな女性がいたんだ。君は由美子にそっくりだ。だからナンパしたくなった」

「まあ、少しならいいか。付き合ってあげる」

笑顔が浮かぶ。

「もしかして由美子か?」

「初めまして」

「面倒くさいなあ、本当に」

「ごめんなさい」

「でもまだ表情が固いな。もっと柔らかくしないと」

ナンパされて男と出会いたいという願望が満たされたからだろうか、時間が経つにつれて由美子は明るくなっていき、会話もはずんだ。俺もまるで由美子を本当にナンパしたかのような感覚になっていった。二度も無視されたから何気に実感がある。出会い系で知り合ったことなんて忘れ、今さっき初めてお互いを知ったような、新鮮な気分になる。

「ナンパだと、これからどうなるの?」

カフェオレを飲み干した由美子がそう聞く。

「相手にもよるけど、男はその女とホテルに行きたいと思うな」

「じゃあ行こう、ホテル」

「いいの? 即エッチ」

「ナンパコースを歩いてみたいから」

それからホテルに行ってセックスした。こうなることを予測していたのか高級感のある勝負下着を身につけていて、小さな尻が大きく見える。ちなみに由美子は処女だった。

「これで由美子も大人の女になったし、表情も明るくなったし、自信を持てただろう。今度はちゃんとナンパしてもらえるかもな」

「もういい」

俺の胸にすがりついてくる。柔らかいものが飛び込んできた感じ。

「ナンパされるのは一回だけでいいから。私はあなたの女になるから」

出会い系で知り合ったのかナンパで知り合ったのかよくわからない。

でも大した差はないかもしれない。

男と女の出会いであることに変わりはない。

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