いつも通っているカフェの彼女をナンパ

いつも通っているカフェの彼女をナンパ

いつも通っているカフェがあるのですが、そこの女性店員に一目惚れしてしまいました。家は山梨県の甲斐市にあるんですが、仕事でよく都内に出向きます。この女性店員がいるのも都内のお店です。何度か彼女が店に出ているタイミングで訪れ、その存在は知っていましたが、あるとき会計のときに彼女の顔を正面から見て一目惚れしました。僕は27歳のトラックドライバーで、これがお店ではない場所での出会いならば即座にナンパしていたと思います。しかし、そこは店内ですし、何よりも彼女は仕事中なわけですから迷惑です。軽々とナンパなんてできません。

彼女から噂が広がって、下手すれば店を出入り禁止になる可能性だってあります。しかも、彼女はショートカットでモデルさんのように透明感のある可愛らしい女性なので、おそらく店の仲間やお客さんからもかなりの人気があるはずです。つまり、競争率は高いと予想できましたので、その勇気が湧きませんでした。でも、仕事で都内に出るたびにそのお店に立ち寄るようになってしまい、なんとかして彼女ともっと話したいと考えるようになってしまったのです。しまいには仕事に集中できないほどに彼女のことを考えるようになってきたので、このままでは事故るかもしれないと思って、とにかくどのような結末にしても彼女に思いを伝えて、決着をつけようと決めたのです。

そのため、あとは声をかけるタイミングですが、やはり常識的に考えて店の中はダメだと思いました。お店の中ではお客さんと店員さんですから、彼女も無下な対応はできないでしょうが、そのようなこちらが都合のいい立場の中で話したくなかったのです。一方的な思いを持ちながら綺麗事を言っているようですが、そう思ったのです。本当に可愛くて、本当に好きになりかけていたので、最低限の礼儀は備えておきたいと思ったわけです。そんなこんなで、店の外で彼女を待って声をかけることにしました。もはやナンパの域を超えているのはわかっていましたが、もう止まらなかったのです。

彼女が早朝から店に出て、昼過ぎには退店することを知っていましたから、そのときに声をかけたのです。彼女に声をかけると驚いていましたが、僕が店によく来ている人間という認識はあったようで、立ち止まって話をきいてくれました。僕は前もって考えていた言葉を伝えました。チャラチャラした気持ちではなく、真面目に好きですと伝えました。さすがに彼女は驚き、言葉を失っていましたが、最終的には笑顔を見せてくれました。素直に嬉しかったと言ってくれました。

いきなりお付き合いというようなことはできないものの、彼女も特定の恋人などがいるわけではないとのことで、友達からはじめていければと言ってくれたのです。知り合いに言わせれば、友達からはじめましょうというフレーズは、断りにくい相手に伝える言葉だということですが、彼女はそういう意味ではなく、本当に友達からはじめるつもりでした。その証拠に思いを伝えたあと、何度かふたりだけで会っているのです。もちろん、お店ではありません。デートをしているのです。

一緒に食事に行ったりして、最初はLINEのID交換からはじまり、やがてはメールアドレスや電話番号も教えてくれました。さらにまだ行っていませんが、自宅がある場所も教えてくれました。僕が仕事している間にも向こうから連絡をくれることがよくあります。これから先、どのような発展を遂げるのかはわかりませんが、少なくとも良い方向に向かっているような気がしています。

彼女は今も相変わらず、あのカフェで働いていて、僕も仕事の合間にそこに立ち寄ることがあります。店の中で僕らの関係を知っている人はほかにいません。店の中で彼女と目が合うと、ほかの人にはバレないように目で合図してくれることもあります。また、渡されたメモ用紙にメッセージが添えられていることもありました。そこには仕事を頑張ってほしいという短い言葉が書いてあるわけですが、それが大きなヤル気になるのです。

今は彼女のことを考えながら仕事が頑張れる毎日です。今まで以上に仕事に精を出せているような気がしています。もしも彼女ときちんと付き合うことができたら、それほどの幸せはありませんが、仮にそうならなくても今の時点でかなり幸せなので、それはそれで良いのかもしれないと思っています。でも、せっかくならばきちんと付き合ってみたい気持ちもあります。

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