ルックスの良い女性ではなく、雰囲気を大切に

ルックスの良い女性ではなく、雰囲気を大切に

出会い系の歩き方には色々あると思うが、ここでは相手を選ぶとき最も注意すべきことを書いてみたい。

「見た目にこだわるな」だ。

人は恋の相手を選ぶときに見た目にこだわる傾向がある。
「人は見た目が○割」なんていう本あるのを目にしたことがあるが、俺は信じない。
見た目など物理的にいくらでも取り繕えるし、信用できない。
いかにして見た目にこだわらず中身を見極めるかが大切だ。

これは意外と見逃しやすい。
特に鼻息の荒い若い男女にはその傾向がある。

これは俺の長年のナンパ経験から言えることだ。
水が滴るような美女。明日にでもAKBの一員になれそうな可愛い子。
男なら誰だって欲しくなる。自分のものにしたくなる。
でも付き合ううちにその人間の輪郭がだんだんと見えてくる。悪い相手にあたってしまったら、せいぜい三日、早ければ数時間でその女から離れたいと思い始める。
逆にとるにたらぬ平凡な女あっても、いい女だったら一生そばにいてもいいと思ったりする。
相手を見極めることは大事なんだ。先入観や偏見は無用。

ある日出会い系でひとりの女性を見つけた。

「私を温かくしてくれた方には、温かくしてさしあげます」

この一文が気になった。
見た目はごく普通の女で、良くも悪くもない。

「JDです。いい人いないかな~」

女子大生というだけで、住んでる場所も年齢も不明。
ナンパなら素通りする女の代表選手。

だけど、雰囲気がよかった。
うつむき加減の微笑み。
少し寂しそうな視線。
彼女を温かくしてあげたい、と思うのは男の本能か。

「富山市民ですけど会ってくれますか。とりあえずお話しましょう」

とメッセージを送った。
返事はすぐに来た。
明後日以降なら会えるという。

俺の希望で、待ち合わせの場所に富山市の某レストランを指定した。
その店でお昼でもいかがですかと誘う。
OKの返事が来た。

彼女はちゃんと来てくれたよ。
写真ではセミロングだったけど、ポニーテールにまとめてた。
瞳には情があるもののやや小さくて、笑っても魅力的な笑顔になりにくい。

焼きカレーを食べながら会話。
もっとも気になっていたことを途中で聞いた。

「どこから来たの?」

「千葉です」

「・・・千葉だって?」

驚いた。スプーンを置いて水を飲み、おしぼりで口をふく。

午前中のうちに千葉から移動してきたのか。
もっと至近距離にいる男を選ぶこともできただろうに、なぜ富山の男を選んだのか。

「なぜ僕に会いに来たの? 千葉の男ではだめだった?」

「温かくしてくれそうだったから」

それから二人の距離がぐっと縮まったのは言うまでもない。
目的もなく路面電車に乗ったり、古めかしい八尾のたたずまいを散策した。
時間とともに彼女の個性的な美しさが見えてくる。

「今日帰るの?」

「一応お泊まりの用意はしてきましたけど、帰ることもできます」

帰ることもできる・・・。

要はいい相手でなかったら今日中に帰るという意味だろう。
そうはさせるものか。
彼女はいい女に違いない。呼吸もぴったりしていて相性もいい。
俺の目は確かだ。

そのことを伺うタイミングを探した。
ナンパで何度も女にふられ、またふってきた俺だけど、そのときは緊張していたな。
彼女が俺のことをどう思っているのか、知るのが少し怖かった。

そして、やっと口にした。

「それで、どうするの? 今日中に千葉に帰るの?」

「あなたはどうなんですか? 帰った方がいいと思います?」

まっすぐ俺を見た。
まじめな目だった。

「帰って欲しくない。明日もいてほしい。ずっといてほしい」

白い歯をだして、こくりとうなずく彼女。

富山市内の観光ホテル。

彼女を抱きしめてみる。
硬くもあり柔らくもあり、女子大生の香りがした。

「温かくしてあげないと」

「ふふふ。・・・お願いします」

「君も温かくしてくれるか」

「はい」

優しい手つきで服を脱がし、肌を求める。
惚れ合っているし相性もいいから自然とこうなる。
部屋のなかで二人きりになって何もするなと言う方がおかしい。

乳首が果物みたいだった。
女陰もそうだった。誰にも冒されていない採れたての果実に見えた。

正常位で挿入したら顔をはげしくゆがめる。
下唇をかんで目をぎゅっと閉じる。
固い膣の奥にゆっくりとペニスを刺す。
ピストンする。
女の下半身がこわばり、男から逃れようとする。
だんだんと射精願望が高まり、逃げる尻をつかむ。
激しくなる。
苦痛に満ちた女の声。

「ううっ、いや・・・・」

ことの後、血を処理する彼女。
初めてだと言ってくれたらタオルか何か敷いたのに。

「痛かった?」

「うん。でも嬉しかった」

「温かくなれた?」

「温かいどころか・・・熱いです」

そっと抱き寄せる。
どこかで救急車のサイレンの音がした。

なぜか「おわら風の盆」の哀調を帯びた歌声が頭の片隅に響く。
小さくなっていくサイレンが、頭の中で胡弓の音色になる。
風の盆の雰囲気にぴったりな女だと思う。

長距離恋愛だけど、彼女とはうまくいってるよ。
今のところ問題はない。
このまま交際を続けたら、結婚も見えてくるかもしれない。

相手を見極めること。
これが大切。

ちゃんと見極めたら、君にふさわしい相手に出会えるし幸福になれる。

約束する。

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