ナンパより出会い系のほうが楽しいってことを最近知った。
ナンパは目の前にいる女性に体当たりするわけだけど、出会い系はそうじゃない。
掲示板やプロフィール、メールでの連絡で相手のことを知ったとしても、実際に会ってみなければ本当のところどんな人間なのかわからないのだ。
顔だってぜんぜん違うかもしれないし、プロフィールとは真逆の人間だったりする。
でも、ある意味このギャップが楽しいのだ。
良い意味でのギャップだと相手への気持ちがぐっと高まるし、男女の距離感が一気に縮まる。
今回徳島市で会った美紀がこのパターン。
結果的に別れたけど、出会い系が好きになれたのは彼女のおかげだと思う。
ナンパはもうやめようと思っている。
俺は博多に住んでる29歳サラリーマン。
徳島に一泊で出張に行くので、その夜割り切りでもしようと思って出会い系で女性をあさった。
ナンパが趣味で出会い系には今まで縁がなかった。
そのときは本当に気まぐれだった。
見るからにヤンキー風の彼女は美紀。二十五歳。
職業不詳。
「なんとなくさみしくて、誰かに会いたい」
なんて意味ありげなことを書いている。
コスメも派手だし、服装もぎらぎらしてる。
一夜の割り切りにはちょうどいい物件だと思ってメール送る。
「出張で一泊するんだけど、会ってほしい。」
「ホテルに行ってもいい?」
徳島市内の某ビジホの前で待ち合わせた。
待ってる間、スマホ見ながら美紀のことをいろいろ想像したよ。
性格は軽くてテンションは常に高いけど、マイペースでローテンポ。
べらべら喋って派手に笑い、男関係も派手。
写真を見ていると、美紀の人となりが手に取るようにわかる。
でも違った。
美紀は物静かだった。
「おなか空いたんですけど、部屋におじゃまする前に食事しませんか」
「え? 食事? いいよ」
声の大きさは普通で、落ちついていた。
コスメは派手だけど、視線はまっすぐで淀みがない。
この印象のギャップにまず驚く。
「ジャンクフードみたいのがいいよね?」
と歩きながら聞いてみる。
「うどんがいいです」
「うどん?」
「たらいうどんを食べさせる店があるんです。行きませんか?」
その店は園瀬川付近にあった。
人気店で、少し待つ。
たらいうどんとは徳島名物。
その名の通り、たらいの湯の中にうどんが入っていて、たれに付けて食べる。
「これ好きなんです」
丁寧に食べる美紀。
これが二番目のギャップだった。
こうなるといろいろ聞いてみたい。
「職業とか、聞いてもいい?」
「みかん農家の娘です。みかん作ってます」
これが三番目のギャップ。
徳島にはこんな風にギャップのある女性が多いのかもしれない。
少女の頃から阿波踊りで口紅を付けることになれているから、自然と派手な女に成長する。
しかし阿波女は働き者といういわれがある通り、堅実な女性が多い。
これからどういうアクションをとろうか。
割り切りのはずなのに、どうやったら彼女をものにできるか考えている俺。
美紀に思い初めたかもしれない。
ホテルに戻り、シャワーにかかる。
割り切りだから、美紀も抵抗なく服を脱ぎ裸になる。
顔も派手だが、身体も熟している。
セックス経験は豊富そう。
この点だはギャップがない。
抱き寄せて対面座位になって乳を揉んだら、後ろから揉んで欲しいと言う。後ろから揉まれるほうが感じるらしい。
背面になって揉み、乳首をつまむ
「イヤ・・・アンッ!」
感度もよく、ちょっとした刺激で声を荒げる。
「後ろから、してね」
いきなりバックか。
四つん這いになった美紀に後ろから刺した。
マ○コはとても緩い。
相当やりまくってそうだった。
セックスは二回やった。
時計を見ると二十三時だった。
「そろそろ帰る」
と言いながらブラジャーをつける美紀。
俺は背後から抱きしめ、耳打ちした。
「つきあってくれないか」
「なんで」
「君が好きかもしれない」
「だめ。私彼氏いるもん。彼氏を裏切りたくないもん」
「彼氏持ちなのに割り切りしたのか」
「割り切って考えてよ。お金の関係なんだからさ」
むっとする美紀。
ショックを覚えたのは彼女に恋をした証かもしれない。
俺もまだまだ甘いなと思った。
でもいい経験をしたよ。
出会い系の魅力を十分に知った割り切りだった。
また女性と出会いたい。
ギャップに驚きたい。
人は人のギャップに触れたとき、恋をするのかもしれない。